イギリス妊娠生活 ⑫36週健診編

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妊娠後期になると、定期健診の間隔が2週間おきになります。

というわけで、本来ならば34週目の定期健診のあとは、36週目に助産師さんによる健診を受けるのですが…

私の場合、助産師さんが週に1回しか最寄りの診療所(GP)に来ず、ちょうどそれが36週の超音波検査と日にちが重なってしまったため、1週遅れの37週目に健診を受けることになりました。

この36週目の定期健診のメインは、出産計画(Birth Plan)のディスカッションです。

そのため、普段は30分の予約枠になっている定期健診が、36週の健診のみ1時間に拡張されます!



まずは、問診など通常の検診から。

いつもの通り、妊娠高血圧症候群の症状など気になる母体や胎児の変化はないかを問診で聞かれ、
・尿検査
・血圧測定
・体重測定
・胎児の心音確認
・子宮底長の測定
が行われました。

加えて、前週に受けた超音波検査と今回の定期検査で幸い特に問題がなかったこと、検診が1週後ろ倒しになってすでに臨月に入っていたことから、初乳(Colostrum)の搾乳について説明がありました。

搾乳方法の指導とともに、注射器のような容器を2本渡され、事前に初乳をとって冷凍保存しておき、出産の時に病院に持って行くようにとのこと。

前回検診の会陰マッサージに続き、健診前に聞いたこともなく予想だにしていなかったのでちょっぴり驚きました^^;



一通り普段の健診の内容が終わると、次は今回の検診のメイン、出産計画(Birth Plan)のディスカッションです。

一般的にはBirth Planと呼ばれるのですが、私の担当の助産師さんは”Birth Plan”ではなく、”Birth Preference(出産の好み)”と呼びます。

彼女いわく、
「出産は何が起こるか分からず、計画通りに進むとは限らない。計画しててもその通りにならない/できないことなんて山ほどある。だから、『できたらこうしたい』という意思表示だと思ってね~」
とのこと。

一般的なBirth Planのフォーマットは、国民保健サービス(NHS)のHPからダウンロードできます。

コロナ禍でなければ夫ダンダンも一緒に参加できたのですが、コロナ禍の定期健診はすべて妊婦のみと決まっていたため、事前に家で話し合い、記入できる範囲で一通り記入してから持って行きました。

ちなみに、私がダウンロードした際のNHSのBirth PlanはA4で計11ページほど、下記のようなことが質問項目として書かれていました。

・どこで出産したいか(病院、助産院、自宅)
・分娩時に同伴者を立ち会わせたいか
・吸引分娩や帝王切開になったときに同伴者は立ち会わせたいか
・分娩時にマットなどの道具を使いたいか
・分娩時に特別な部屋や設備を使いたいか
・分娩時の胎児のモニタリングについて助産師と話をしたか
・分娩時に動き回りたいか
・どのような体勢で出産したいか
・出産後、赤ちゃんをすぐお母さんのお腹に置いてほしいか
・分娩に研修生が立ち会っても問題ないか
・分娩時の痛みを和らげる方法(Pain Relief)として何を使いたいか ※無痛分娩含む
・会陰切開について助産師と話をしたか
・出産後の胎盤排出について助産師と話をしたか
・赤ちゃんへの授乳はどうしたいか(母乳/ミルク/混合)
・赤ちゃんにビタミンKを投与しても構わないか
・その他特記事項

いや~盛りだくさん!!

基本的に「妊婦(+その家族)の意向が第一!」という思想なので、助産師さんが客観的な意見やアドバイスはくれるものの、最終的にどうするかは当事者たちに委ねられています。

さらに、どんな小さなことであっても、よっぽどの緊急事態を除いて、必ず妊婦の同意を得てから処置をすることになっているようです。

とはいえ、分娩時に動き回りたいかとか、どのような体勢で出産したいかとか、特に初産の場合は「その時になってみないと何とも言えんよ!」という項目がいくつかあります。笑

書いた通りにしないといけないということはなく、あくまでその時点で「こうしたい!」という希望を書いておけばよいのだそうです。

正直、36週(私の場合は37週)にBirth Planを立てるって結構ギリギリだな…と個人的には思っていたのですが、裏を返すと、比較的柔軟に対応してもらえる余地があるということかもしれません。

日本で無痛分娩を希望するなら結構早い段階から伝える必要があると知人から聞きましたが、少なくともイギリスで私の住む地域では、このBirth Planを立てる段階で希望を明確にしていれば遅すぎることはないというようでした。

出産場所やその施設の環境にもよりますが、最初は無痛分娩を希望していなかったけど、陣痛がきて「もう耐えられない!」となった時にまだ間に合うようであれば、その場で無痛分娩を希望することも可能だそう。

とにかく、妊娠中も出産時も出産後も、妊婦(+その家族)が専門家の意見やアドバイスを基に能動的に考え、決断することが求められているな~とひしひし感じます。