息子ヨシの洗礼①

約16時間かけて帰省したカナダでの今回の一大行事は、息子ヨシの洗礼!

キリスト教徒ではない私には馴染みのない文化ですが、キリスト教を信仰する夫ダンダンの文化では、子どもが生まれた時に行う大切な行事です。

このブログでも何回か書いていますが、私たちは結婚にあたってどちらかの宗教(といっても私は典型的?な日本文化で、仏教と神道が混じった感じですが…)に信仰を揃えるということはせずに結婚しました。

なので、キリスト教の洗礼もするし、日本にいるタイミングが合えばお宮参りや七五三もするし、信仰する宗教は子どもが大きくなってから自分で決めたらよいという方針です。


住んでいるイギリスでも、子どもが生まれたら数ヶ月後には洗礼をするという人が多く、同時期に出産した友達から話は聞いたことがあったものの実際に自分が出席したことはなく…

そんなわけで、私にとっても初めての洗礼なのでした。



子どもの洗礼で一番大切なのは、Godparent(代父母)。

洗礼に立ち会うとともに、神に対する契約の証人になります。

実生活では、子どもの成長を見守り、私たち実父母に万が一のことかあった時の後見人になることもあるそうで、ダンダンの文化でも昔は、近所に住んでいる家族がお互いの子どもの代父母になり、それを子どもたちの世代にも継承していくかたちだったそうです。

教会によっては、実父母はもちろん、代父母もまったく同じ宗派でなければならないということもあるそうですが、ダンダンがカナダでお世話になっていた教会は寛容で、私も代父母も同じ宗派である必要はないと言っていただけました。

そんなわけで、ダンダンの親友カップルに代父母をお願いしたのですが、

教会&ダンダン一家:ルーマニア正教会

代父:カトリック

代母:ギリシャ正教会

私:(あえて挙げるなら)仏教と神道

というバラエティでした。笑



洗礼は教会で行われることが多いのですが、息子ヨシの洗礼はダンダン実家で行いました。

本来は、家族や友達を招待して教会で洗礼、さらにその後レストランなどに移動してパーティーとなることが多いそうなのですが、何せまだコロナ禍。。。

ということで、司祭と教会職員の方に家まできていただき、代父母とダンダン側のごく近しい家族だけが参加、カナダ国外にいる親戚が数名Skype越しで参加するかたちで洗礼を行なったのでした。



洗礼に向けて準備したのは、

・オリーブオイル

・十字架のネックレス

・十字架の付いた大きいろうそく

・聖水を浴びた後に身体を拭くタオル

・聖水を浴びた後に着る洋服

…といっても、ろうそく・タオル・服は代父母が用意すべきものということになっているので代父母が、オリーブオイルとネックレスはダンダンママが用意してくれました。

右から、ネックレスの入った箱、ろうそく、タオルと洋服の入った箱(代父母がきれいにラッピングしてきてくれたのでした!)

あとは、司祭が持ってきてくださった洗礼用の桶に水を張って、準備完了!



まずは、司祭の説教。

基本は全部ルーマニア語ですが、代父母も私もルーマニア語をほとんど話さないため、一部代父母に直接関係するところ(代父母になる宣誓をお願いしたりするところなど)はフランス語で話されました。


すると、司祭が私の方を向き、地面にひざまずくようにとの指示が…

ダンダンから事前に、洗礼では実父母は何もすることがないと聞いていたので、私は???状態。

実は、司祭が洗礼の流れを説明して、儀式を始めようとしたとき、ダンダンママが

「この子の母親、日本人でキリスト教じゃないんだけど!」

と慌てて司祭に話しかけていたのです。

司祭とダンダンママはルーマニア語で話していたので会話の詳細までは分からず、とはいえ私がキリスト教でないことに問題がないことは分かったので、ダンダンに深く聞くこともなくやり過ごしていたのですが…

実は、キリスト教では、産後の女性は汚れているので清める必要があるという考えがあり、それを「母親」が洗礼前に受けたかどうかを確認されていたようです。

洗礼の日程を決めたりなどのやりとりをしてくれていたダンダンママは事前にその質問を受けていたものの、てっきり「母親=ダンダンの母親=自分」だと思ってYesと答えていて、当日の説明を聞いて「母親=ヨシの母親=私」だと気づき、慌てて司祭に話しかけたというわけでした^^;

結局私がキリスト教かどうかは関係なく(まぁ本当はキリスト教徒であることに越したことはないのでしょうが)、洗礼を受けるヨシの母親として必要なものということで、司祭が首にかけていた布をひざまずいた私の頭にかぶせ、そこから10分ほど祈りがささげられました。


そして、いよいよヨシが聖水に浸かるときが…!(ちなみに、ヨシが浸かる前にオリーブオイルが数滴水の中に入れられていました。)

洗礼桶

通常は生後数か月でする洗礼。

本来であれば、頭の先から足の先まですべてを聖水に浸けるそうなのですが、ヨシはもう1歳数ヶ月。

洗礼桶の中で頭から足まで水に浸けるなどできず、代父が支えて桶の中に立たせ、司祭が頭から水をかけるという方式でやりました。

洗礼には身体が大きすぎてみんな苦笑い…

しかも好奇心旺盛なヨシはじっとしていられず、洗礼桶に立てられたろうそくの火を触って火を消してしまい、また苦笑い…(泣きもせず、火傷もしていなかったという奇跡)


聖水から出た後は、代母に抱き上げ、タオルでくるんでもらいます。

その後、タオルにくるまれたまま代母に抱かれ、ろうそくを持つ代父とともに説教を受けます。

これまた、生後数ヶ月の子どもであれば5キロ前後であろうところ、ヨシは11キロ^^;

全裸大好きっ子のため、服を着なくてよいことに大満足でご機嫌だったのがせめてもの救いでした…笑



その後、台の上に寝かされ、身体にオリーブオイルで十字架を書かれたり、髪を数本切られたりしました。

生まれて数ヶ月は髪の毛がまともに生えていなかったヨシ、それだけは洗礼が遅くなってしまったのがちょうどよかったとダンダンと冗談を言っていました。笑

最後に、代父母が持ってきてくれた新しい服を代母に着せてもらって終わり。

洗礼の儀式は計50分くらい。

この時のために代父母が準備してくれたとても素敵な新品のスーツを身に着け、とても幸せそうなヨシなのでした!